結納品の基本!九品目の意味と由来
ウェディングの質問
先生、結婚式の準備で『九品目』っていう言葉を聞きました。これって何のことですか?
ブライダル研究家
いい質問だね。『九品目』とは、結納の際に贈る品物のことを指します。正式には九つの品物を贈るのが習わしですが、最近では七品目や五品目、三品目など、品数を減らす場合も多いですね。大切なのは、割り切れない奇数にすることだよ。
ウェディングの質問
なるほど。でも、なぜ割り切れない奇数にする必要があるんですか?
ブライダル研究家
それは、奇数が縁起の良い数とされているからです。偶数は割り切れることから、別れを連想させるため、結婚という新たな門出にはふさわしくないと考えられているんだよ。奇数の品物を贈ることで、二人の結びつきが末永く続くようにという願いが込められているんだね。
九品目とは。
結納品のことを『九品目』と言います。地方によって違いはありますが、正式には九種類で、簡略化された場合は七種類、五種類、三種類と奇数種類が一般的です。これは、割り切れない数の方が良いと考えられているからです。
結納品の種類
結婚の約束を正式なものとする儀式、結納。その際に欠かせないのが、男性側から女性側へ、あるいは女性側から男性側へ贈られる結納品です。かつては、結婚の成立を確かなものとするために、財産や労働力などを贈るという意味合いがありました。現代では、結婚の意思を互いに確認し合う象徴的な意味合いが強くなっています。
結納品には、地域によって様々な種類があり、大きく分けて関東式と関西式が存在します。関東式では、男性から女性へ結納品を贈るのが一般的ですが、関西式では女性からも男性へ結納返しという形で贈り物をする風習があります。また、品物の数も地域や家によって異なり、代表的なものとして、九品目、七品目、五品目、三品目などがあります。これらの品目は、割り切れない奇数であることが大切で、二人の縁が末永く続くようにという願いが込められています。一般的に、品数が多いほど、正式で丁寧な印象を与えます。
九品目には、長熨斗(ながのし)、金包(きんぽう)、目録(もくろく)、勝男節(かつおぶし)、寿留女(するめ)、昆布(こんぶ)、友白髪(ともしらが)、子生婦(このせがれ)、柳樽料(やなぎだるりょう)が含まれます。それぞれに意味があり、例えば、長熨斗は末永く続く幸せを、金包は金銭的な支えを、目録は贈り物の品書きを表しています。勝男節は男性の力強さを、寿留女は女性の貞操を、昆布は子孫繁栄を、友白髪は共に白髪になるまで長生きすることを、子生婦は子孫繁栄を、柳樽料は酒と肴を表し、共に喜びを分かち合うことを意味します。
七品目、五品目、三品目は、この九品目から品数を減らしたもので、それぞれの家の考え方や地域の習慣に合わせて選ばれます。最近では、簡略化された結納や、結納を行わないという選択をするカップルも増えていますが、結納品には、古くからの伝統と、二人の幸せを願う気持ちが込められていることを忘れてはなりません。
品目数 | 内容 | 意味 |
---|---|---|
九品目 | 長熨斗、金包、目録、勝男節、寿留女、昆布、友白髪、子生婦、柳樽料 | 長熨斗:末永く続く幸せ 金包:金銭的な支え 目録:贈り物の品書き 勝男節:男性の力強さ 寿留女:女性の貞操 昆布:子孫繁栄 友白髪:共に白髪になるまで長生き 子生婦:子孫繁栄 柳樽料:酒と肴、共に喜びを分かち合う |
七品目 | 九品目から品数を減らしたもの | 家の考え方や地域の習慣に合わせて選ばれる |
五品目 | 九品目から品数を減らしたもの | 家の考え方や地域の習慣に合わせて選ばれる |
三品目 | 九品目から品数を減らしたもの | 家の考え方や地域の習慣に合わせて選ばれる |
九品目の内容
婚礼の儀式において、結納は両家の結びつきを象徴する大切な儀式です。その中でも、九品目は最も格式高い結納品の組み合わせとされています。九つの品々には、それぞれ深い意味が込められており、新しい門出を迎える二人への祝福と、末永い幸福を願う気持ちが込められています。
まず、「目録」は贈り物の品目を記した一覧表であり、結納の正式さを示す重要な品です。そして、「長熨斗」はアワビを薄く伸ばして乾燥させたもので、古来より縁起物として珍重されてきました。金包みである「金宝包」には、祝いの気持ちを込めて金銭が贈られます。
次に、縁起物の食品についても見ていきましょう。「勝男節」は雄節と雌節が対になった鰹節で、夫婦の仲睦まじさを表します。子孫繁栄を願う「子生婦」はスルメのことです。たくさんの卵を持つスルメは、子宝に恵まれるようにとの願いが込められています。「寿留女」は昆布を指し、「よろこぶ」との語呂合わせから喜びの象徴とされています。
さらに、その他の品々にも深い意味があります。「友白髪」は、麻糸を柳の白髪に見立てたもので、白髪になるまで共に生きるという夫婦の永遠の愛を象徴しています。「末広」は扇子のことで、末広がりの形状から将来の繁栄を願う気持ちが込められています。最後に「家内喜多留」は、酒や肴を贈ることで、家の中が喜びで満たされるようにとの願いが込められています。
このように、九品目のひとつひとつには、未来への希望と祝福が込められています。これらの品々を通して、両家の絆がより一層深まり、新たな人生の門出を祝う気持ちが伝えられていくのです。
結納品 | 意味 |
---|---|
目録 | 贈り物の品目を記した一覧表。結納の正式さを示す。 |
長熨斗 | アワビを薄く伸ばして乾燥させた縁起物。 |
金宝包 | 祝いの気持ちを込めた金銭を贈る金包み。 |
勝男節 | 雄節と雌節が対になった鰹節。夫婦の仲睦まじさを表す。 |
子生婦 | スルメ。子宝に恵まれるようにとの願いが込められている。 |
寿留女 | 昆布。「よろこぶ」との語呂合わせから喜びの象徴。 |
友白髪 | 麻糸を柳の白髪に見立てたもの。夫婦の永遠の愛を象徴。 |
末広 | 扇子。末広がりの形状から将来の繁栄を願う。 |
家内喜多留 | 酒や肴。家の中が喜びで満たされるようにとの願い。 |
七品目、五品目、三品目の内容
結婚の儀式の一つである結納には、古くから伝わる様々な決まり事があります。その中でも、両家の結びつきを象徴する大切な品々である結納品は、正式には九品目とされています。しかし、現代の生活様式に合わせ、簡略化された七品目、五品目、三品目といった選択肢も増えてきました。
七品目は、九品目から家内喜多留と友白髪を除いた七つの品で構成されます。家内喜多留は、家内安全や子孫繁栄を願う縁起物であり、友白髪は夫婦ともに白髪になるまで末永く一緒にいられますようにとの願いが込められています。これらの品を除くことで、七品目は九品目よりも簡略化されていると言えます。
さらに簡略化した五品目は、七品目から勝男節と寿留女を除いた五つの品で構成されます。勝男節は鰹節のことで、雄々しく強くあれという意味が込められ、寿留女は麻糸のことで、いつまでも健康で長生きできますようにとの願いが込められています。これら二つの品を除くことで、五品目は七品目よりもさらに簡略化されていると言えます。
最も簡略化された三品目は、目録、金宝包、長熨斗の三つの品で構成されます。目録は贈る品物のリストが書かれたものであり、金宝包は金銭を包むもので、長熨斗は贈り物を包む飾り付けの一つです。これら三つの品は結納における基本的な品々と言えます。
このように、品数を減らすことで、結納の手続きを簡略化することができます。しかし、九品目、七品目、五品目、三品目、いずれの場合でも品数は奇数です。これは、奇数は割り切れない数であることから、二人の縁が末永く続くようにとの願いが込められているためです。それぞれの家の考え方や状況に合わせて、最適な品目を選ぶことが大切です。
品目数 | 内容 | 意味・特徴 |
---|---|---|
九品目 | 正式な結納品 | 伝統的な形式 |
七品目 | 九品目から家内喜多留と友白髪を除いたもの | 九品目より簡略化 |
五品目 | 七品目から勝男節と寿留女を除いたもの | 七品目よりさらに簡略化 |
三品目 | 目録、金宝包、長熨斗 | 最も簡略化された基本的な品々 |
※いずれの品目数も奇数であり、二人の縁が末永く続くようにとの願いが込められている。 |
地域による違い
結婚の儀式は地域によって大きく異なることがあります。特に、結納品はその土地の伝統や習慣が色濃く反映されるため、地域差が顕著に表れます。例えば、関東地方では一般的に九品目の結納品が用いられます。この九品目には、長熨斗、末広、友白髪、子宝、家内安全、寿留女、金宝糖、勝男節、高砂人形などがあり、それぞれに子孫繁栄や夫婦円満などの意味が込められています。一方、関西地方では五品目が主流です。関東地方に比べて品数は少ないものの、目録、長熨斗、金包、友白髪、寿留女といった、やはり縁起の良い品々が選ばれています。このように、同じ結納でも、関東と関西では品数や内容に違いが見られるのです。
また、地域によっては、これらの基本的な品目に加えて、独自の品物が加わることもあります。例えば、海に近い地域では、昆布や鰹節といった海産物が結納品に加えられることがあります。これは、その土地の特産品を贈ることで、両家の繁栄を願うという意味が込められています。あるいは、お酒やお菓子など、その地域で古くから親しまれてきた特産品が選ばれることもあります。
結納は、結婚に向けて大切な儀式です。円滑な結婚準備を進めるためにも、結納品を選ぶ際には、両家の出身地や風習について事前にきちんと話し合うことが大切です。それぞれの家の伝統や考え方を尊重し、お互いに納得できる結納を行うことが、結婚生活の第一歩と言えるでしょう。インターネットや書籍などで情報を集め、両家で十分に話し合い、お互いの文化や習慣を理解し合うことが重要です。
地域 | 結納品の傾向 | 代表的な結納品 |
---|---|---|
関東地方 | 九品目が一般的 | 長熨斗、末広、友白髪、子宝、家内安全、寿留女、金宝糖、勝男節、高砂人形など |
関西地方 | 五品目が主流 | 目録、長熨斗、金包、友白髪、寿留女など |
海に近い地域 | 基本的な品目に加え、海産物が加わることも | 昆布、鰹節など |
その他地域 | 地域独自の特産品が加わることも | お酒、お菓子など |
現代における結納品の意義
人生の大きな節目となる結婚。かつては当然のように行われていた結納も、近頃は行わない夫婦も増えてきました。それでも、結納という儀式には、現代においても大切な意味が込められています。
結納は、結婚の約束を公にする場です。口約束ではなく、正式に結婚の意思を両家で確認し合うことで、結婚への覚悟がより一層強まります。また、結納品を贈り合うことで、両家の結びつきを目に見える形で表すことができます。
結納品そのものには、様々な意味が込められています。例えば、熨斗鮑は長寿を、昆布は子孫繁栄を願う気持ちが込められています。もちろん、現代ではこれらの品物を実際に必要としているわけではありません。大切なのは、品物に込められた相手を思う気持ちです。結納品を通して、お互いの家柄や価値観を理解し、尊重し合うことができます。
結納は、親族同士が初めて顔を合わせる貴重な機会でもあります。結婚の報告だけでなく、お互いの家族のことを知り、親睦を深めることで、今後の良好な関係を築く第一歩となります。
結納という儀式を通して、結婚の重みを改めて実感し、新たな門出への期待を共有することで、夫婦としての絆がより深まることでしょう。形式ばった儀式にこだわる必要はありませんが、両家の状況に合わせて、結納という日本の伝統的な文化を見直してみるのも良いかもしれません。
結納のメリット | 詳細 |
---|---|
結婚の約束を公にする場 | 口約束ではなく、正式に結婚の意思を両家で確認し合うことで、結婚への覚悟がより一層強まる。 |
両家の結びつきを目に見える形で表す | 結納品を贈り合うことで、両家の結びつきを目に見える形で表すことができる。 |
相手を思う気持ちを伝える | 結納品に込められた相手を思う気持ちを伝えることができる。 |
親族同士の初顔合わせの機会 | 結婚の報告だけでなく、お互いの家族のことを知り、親睦を深めることで、今後の良好な関係を築く第一歩となる。 |
夫婦の絆を深める | 結納という儀式を通して、結婚の重みを改めて実感し、新たな門出への期待を共有することで、夫婦としての絆がより深まる。 |
まとめ
結婚の約束を正式なものとする儀式、結納。古くから続くこの伝統行事には、両家の結びつきを強め、新しい門出を祝う意味が込められています。中心となるのが結納品であり、そこには様々な願いが託されています。品物一つ一つに込められた意味を知ることで、結納の意義をより深く理解し、感謝の気持ちで新しい人生をスタートさせることができるでしょう。
結納品は、一般的に奇数の品目で構成されます。古来より日本では、奇数は縁起が良いとされ、割り切れないことから「二人の縁が切れないように」との願いが込められています。代表的なものとしては、九品目、七品目、五品目、三品目などがあります。それぞれの品目に込められた意味合いは、地域や家によって多少の違いはありますが、基本的には長寿や繁栄、子孫繁栄などを願うものとなっています。例えば、熨斗鮑は長寿の象徴とされ、末永く幸せに暮らせるようにとの願いが込められています。また、友白髪は白髪になるまで共に過ごせるように、寿留女は子孫繁栄の象徴として贈られます。
近年では、結納を簡略化したり、形を変えて行うケースも増えています。両家の考え方を尊重し、話し合いながら自分たちに合ったスタイルで行うことが大切です。都市部では、レストランやホテルなどで食事会を兼ねて行うことも一般的になっています。また、結納品を贈る代わりに、記念品を交換したり、旅行のプレゼントをするなど、現代風の結納も人気を集めています。
結納は、単なる儀式ではなく、両家が親睦を深め、新たな家族の絆を育む大切な機会です。形式にとらわれすぎることなく、感謝の気持ちを伝え合い、これから始まる新しい人生への希望を共有することで、より温かく思い出深いものとなるでしょう。
項目 | 説明 |
---|---|
結納の意義 | 結婚の約束を正式なものとする儀式。両家の結びつきを強め、新しい門出を祝う。 |
結納品 | 奇数の品目で構成(例:九品目、七品目、五品目、三品目)。品物には長寿や繁栄、子孫繁栄などの願いが込められている(例:熨斗鮑は長寿、友白髪は共に過ごす、寿留女は子孫繁栄)。 |
現代の結納 | 簡略化、形式の変化が増えている。両家の考え方を尊重し、自分たちに合ったスタイルで行うことが大切。食事会、記念品交換、旅行プレゼントなど。 |
結納の本質 | 両家が親睦を深め、新たな家族の絆を育む大切な機会。感謝の気持ちを伝え合い、新しい人生への希望を共有する。 |