引出結納:東海・九州の伝統
ウェディングの質問
先生、「引出結納」って、普通の結納返しと何が違うんですか?
ブライダル研究家
良い質問だね。引出結納は、主に東海地方や九州地方で行われる結納返しの一種で、普通の結納返しと大きく違うのは、男性側から頂いた結納品の包み紙を、青と白の紙で包み直して返すところだよ。特に名古屋や岐阜では、松葉色と白の組み合わせが一般的だね。
ウェディングの質問
へえー、包み紙を変えるんですね。何か特別な意味があるんですか?
ブライダル研究家
そうだね。青と白の包み紙には、清らかさや誠実さを表す意味があると言われているよ。また、引出結納には、いただいた結納品の一部を返すことで、両家の結びつきをより強めるという意味も込められているんだ。
引出結納とは。
「結婚」と「結婚式」で使われる言葉に『引出結納』というものがあります。これは、東海地方(名古屋や岐阜など)や九州地方で行われている、結納のお返しに関する風習です。名古屋や岐阜では、男性側からもらった結納品の紅白の包みを、青(松葉色)と白の紙で包み直して用意します。お返しをする時期は、結納と同じ日だったり、荷物を新居に運び入れる日だったり、地域によって様々です。
引出結納とは
引出結納とは、主に東海地方(愛知県、岐阜県など)や九州地方で見られる独特の結納返しの習慣です。結納返しとは、男性側から贈られた結納品に対し、女性側が感謝の気持ちと受諾の意思を示すためにお返しをすることです。引出結納は、その名の通り、引出物のような形で贈り物をお返しするのが特徴です。
東海地方、特に名古屋や岐阜近辺では、男性側から受け取った紅白の水引の祝儀袋を、青(松葉色)と白の水引の袋に入れ替えてお返しします。祝儀袋の色は地域によって多少異なることもありますが、青と白の組み合わせが主流です。袋の中には、鰹節や昆布などの縁起物が入れられることもあります。また、砂糖やお茶といった日持ちのする食品を贈る場合もあります。
九州地方でも引出結納の風習はありますが、東海地方とは異なる独自のやり方で行われることがあります。例えば、結納品の一部を返す場合や、別の品物をお返しする場合など、地域によって様々な形式が存在します。九州の一部地域では、結納品として贈られたお酒や魚などを返す風習も見られます。
このように、引出結納は地域によって細かな違いがあるため、結婚する二人の家同士で事前にしっかりと話し合って進めていくことが大切です。近年は結納の簡略化も進んでおり、引出結納の場合も、形式にこだわらず、両家で納得のいく形で行うことが増えています。
全国的には結納金の一部を返すことが多いですが、引出結納の場合は品物だけを返すため、結納金のやり取りは別途行われます。そのため、結納金については、引出結納とは別に両家で金額や時期などを相談する必要があります。それぞれの家の考え方や地域によって金額も大きく変わるため、結婚する本人たちも交えて、事前にしっかりと話し合うことが大切です。
項目 | 内容 |
---|---|
引出結納とは | 東海地方(愛知県、岐阜県など)や九州地方で見られる独特の結納返しの習慣。女性側が男性側からの結納品に対し、感謝と受諾の意思を示すため、引出物のような形でお返しをする。 |
東海地方 | 男性側から受け取った紅白の水引の祝儀袋を、青(松葉色)と白の水引の袋に入れ替えてお返しする。袋の中には鰹節や昆布などの縁起物、砂糖やお茶などを入れることもある。 |
九州地方 | 東海地方とは異なる独自のやり方で行われる。結納品の一部を返す場合や、別の品物をお返しする場合など、地域によって様々な形式が存在する。お酒や魚などを返す風習も見られる。 |
結納金 | 引出結納では品物だけを返し、結納金のやり取りは別途行われる。金額や時期などは両家で相談が必要。 |
その他 | 地域によって細かな違いがあるため、結婚する二人の家同士で事前にしっかりと話し合って進めていくことが大切。近年は簡略化も進んでおり、両家で納得のいく形で行うことが増えている。 |
お返しの時期
結納返しの時期は、地域や家の習慣によって大きく異なります。一概にいつが良いとは言えず、両家でよく話し合って決めることが大切です。
結納の品々を、その場で返す即日返しを行う地域もあります。例えば東海地方などでは、結納当日にお返しするのが一般的です。結納の席でお互いの気持ちが通じ合い、すぐに返礼をすることで、喜びを分かち合うという意味が込められています。
一方、後日改めてお返しをする地域もあります。九州地方などでは、荷入れ、つまり嫁入り道具を新居に運び入れる日に合わせて結納返しをすることが多いようです。新しい生活を始めるにあたり、感謝の気持ちと共に贈り物をすることで、新たな門出を祝う意味合いがあります。
また、結納から数日後にお返しをする場合もあります。この場合は、両家の都合の良い日を選んで、改めてお返しの場を設けます。日取りを決める際には、無理のない日程で、両家の負担にならないよう配慮することが大切です。
いずれの場合も、事前に両家で相談し、納得のいく日を決めることが重要です。結納は結婚への大切な一歩であり、その準備には多くの時間と手間がかかります。お返しの時期についても、両家の関係を良好に保つためにも、十分な話し合いを行いましょう。もしお返しが遅れる場合は、早めに男性側に連絡し、理由を丁寧に説明することで、誤解や不安を生まないように心がけましょう。結婚準備は何かと慌ただしいものです。円滑に進めるためにも、こまめな連絡と思いやりのある対応を忘れず、お互いに気持ちよく準備を進められるようにしましょう。
結納返しの時期 | 地域例 | 特徴・意味合い |
---|---|---|
即日返し | 東海地方など | 結納当日にお返し。喜びを分かち合う。 |
後日(荷入れの日) | 九州地方など | 嫁入り道具を新居に運び入れる日に合わせてお返し。感謝の気持ちと共に新たな門出を祝う。 |
数日後 | – | 両家の都合の良い日にお返し。 |
共通事項
- 両家でよく話し合って決めることが大切
- 事前に両家で相談し、納得のいく日を決める
- 両家の関係を良好に保つため、十分な話し合いを行う
- お返しが遅れる場合は、早めに男性側に連絡し、理由を丁寧に説明する
- こまめな連絡と思いやりのある対応を忘れず、お互いに気持ちよく準備を進められるようにする
準備するもの
結婚の儀式の一つである引出結納では、主に女性側が準備を担当します。男性側から頂いた紅白の飾り紐で結ばれた包みを、女性側が青と白の包みに詰め替える作業が中心となります。この青と白の包みは、松の葉のような緑色と白の組み合わせで、純粋さと生命力を象徴しています。
これらの包みは、地域によっては専門の店で購入できますし、自分で手作りすることも可能です。最近では、簡略化されたり、地域独自の風習が薄れてきてはいますが、両家の結びつきを大切にするという意味では、古くからのしきたりを重んじることも重要です。
包みの他に、男性側へのお返しとして贈り物を選ぶのも女性側の大切な役目です。お返しは、高価な物である必要はありません。実用的で、感謝の気持ちが伝わる物を選びましょう。例えば、お菓子やお酒、タオルなどの日用品は定番です。また、地域によっては、縁起物として鰹節や昆布を贈る風習も残っています。贈り物の品定めに迷った場合は、両親や親戚に相談すると良いでしょう。地域によって様々な風習があるので、経験者にアドバイスをもらうことで、より適切な贈り物を選ぶことができます。
相手方の家族構成や好みを考慮することも大切です。例えば、お酒が好きな家族には地酒を、甘い物好きの家族には地元の銘菓を選ぶなど、心遣いを込めた贈り物は、きっと喜ばれるでしょう。何よりも大切なのは、感謝の気持ちと、これから両家が繋がる喜びを伝えることです。心を込めて準備することで、結婚への期待感も高まり、両家の絆もより一層深まることでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
引出結納の担当 | 主に女性側 |
引出結納の作業 | 紅白の包みを青と白の包みに詰め替える |
青と白の包みの意味 | 純粋さと生命力を象徴 |
包みの入手方法 | 購入または手作り |
引出結納の意義 | 両家の結びつきを大切にする |
お返しの贈り物 | 実用的で感謝の気持ちが伝わる物(例:お菓子、お酒、タオル、鰹節、昆布など) |
贈り物選びのポイント |
|
贈り物選びの相談 | 両親や親戚 |
包みの意味
引出結納で用いられる青と白の包み紙には、それぞれに特別な意味合いが込められています。包み紙の色にも気を配ることで、結納の儀式に込められた深い想いをより理解し、尊重することができます。
青色は、松の葉の色を表現しています。一年を通して緑の葉を茂らせる松は、長寿と繁栄の象徴とされてきました。変わらぬ緑を保つ松のように、二人の人生も末永く緑豊かであるようにとの願いが込められています。また、青色は誠実さや信頼を表す色でもあります。夫婦としてこれから始まる生活において、お互いを深く信じ合い、誠実に向き合い続けることを願う気持ちも表現されています。
一方、白色は純粋で汚れのない清らかさを象徴する色です。結婚生活を始めるにあたって、純粋な気持ちで新たな門出を迎え、清らかな心で共に歩んでいくことを意味します。穢れのない白に染まるように、これからの人生も清く正しく歩んでいけるようにという願いが込められています。
これらの青と白を組み合わせた包み紙には、松の持つ長寿と繁栄、そして白が表す純粋さと清らかさを併せ持ち、末永く幸せな結婚生活を送れるようにという深い願いが込められているのです。
また、包み紙だけでなく、中に包まれた品物にもそれぞれ意味があります。例えば、鰹節は、古くから縁起物として扱われてきました。武士の時代には「勝ち男」を意味し、力強く逞しく生きることを願う意味が込められていました。結納の品としては、家が末永く繁栄するようにという願いを込めて贈られます。昆布は、「よろこぶ」という語呂合わせだけでなく、たくさんの葉が生えることから子孫繁栄の象徴とされています。このように、引出結納には様々な意味や願いが込められており、日本の伝統と文化の奥深さを垣間見ることができます。古くから大切に受け継がれてきた慣習には、未来への希望と幸せを願う先人たちの想いが込められているのです。
色 | 意味 |
---|---|
青 |
|
白 | 純粋で汚れのない清らかさ |
青と白の組み合わせ | 松の持つ長寿と繁栄、そして白が表す純粋さと清らかさを併せ持ち、末永く幸せな結婚生活 |
品物 | 意味 |
---|---|
鰹節 | 家の末永い繁栄 |
昆布 | 子孫繁栄 |
地域による違い
結婚は人生の大きな節目であり、両家の結びつきを象徴する大切な儀式です。その中でも、結納は結婚の約束を正式に交わす伝統的な儀式として、古くから大切にされてきました。結納には様々な種類がありますが、今回は地域によって特色が大きく異なる「引出結納」について詳しく見ていきましょう。
引出結納は、主に東海地方や九州地方で行われている儀式で、両家の間で贈り物をやり取りすることで、結婚の意思を確認し合います。しかし、同じ引出結納であっても、地域によって細かな違いがあるため、注意が必要です。例えば、贈り物を入れる包みの色や形、お返しの品物などが地域によって異なります。東海地方では、一般的に青と白の包みが用いられますが、九州地方の一部地域では、別の色の包みを使う場合もあります。また、お返しの品物も、地域によって様々です。
これらの違いは、それぞれの地域の歴史や文化、風習を反映しています。そのため、引出結納を行う際には、両家で十分に話し合い、それぞれの地域の風習に合わせたやり方で行うことが大切です。インターネットや書籍で事前に情報を集めることもできますが、地域によっては独自の風習があるため、両家の両親や親戚に相談するのが最も確実です。結婚は家と家との結びつきでもあり、それぞれの家の伝統や文化を尊重しながら進めていくことが重要です。引出結納を通して、お互いの文化や価値観を理解し合い、尊重することで、より良い関係を築き、幸せな結婚生活の第一歩を踏み出せるでしょう。
引出結納は、単なる儀式ではなく、両家の絆を深め、新たな家族の誕生を祝う大切な機会です。それぞれの地域の風習を大切にしながら、心を込めて行うことで、より meaningful なものとなるでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
結婚の意義 | 人生の大きな節目、両家の結びつきを象徴する儀式 |
結納の意義 | 結婚の約束を正式に交わす伝統的な儀式 |
引出結納 | 東海地方や九州地方で行われる、贈り物のやり取りで結婚の意思を確認する儀式 |
地域差 | 包みの色や形、お返しの品物などが異なる
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地域差の理由 | 地域の歴史、文化、風習を反映 |
引出結納の進め方 | 両家で十分に話し合い、それぞれの地域の風習に合わせる
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引出結納の目的 | 両家の絆を深め、新たな家族の誕生を祝う機会、お互いの文化や価値観を理解し合い、尊重する |