モーニング:格式高い結婚式の装い

モーニング:格式高い結婚式の装い

ウェディングの質問

先生、「モーニング」って結婚式でよく聞きますけど、どういう服装のことなんですか?

ブライダル研究家

いい質問だね。「モーニング」は男性の昼の礼服で、正式には「モーニング・コート」と言うんだよ。黒か濃い紺色のジャケットに、縞模様のズボンを合わせるのが特徴だよ。

ウェディングの質問

へえ、縞模様のズボンなんですね。新郎さんが着るんですか?

ブライダル研究家

日本では新郎が着ることは少ないかな。どちらかと言うと、新郎新婦の父親が着る場合が多いんだよ。結婚式で格式の高い服装とされているんだ。

モーニングとは。

「結婚」と「結婚式」で用いられる言葉「モーニング」について説明します。モーニングは男性の昼間の礼服で、正式には「モーニングコート」と言います。上着は黒か濃い紺色で、ズボンは縞模様のものを合わせます。日本では、新郎よりも新郎新婦の父親が着ているのをよく見かけます。

モーニングとは

モーニングとは

モーニングとは、男性が昼間の式典で着用する礼服で、正式にはモーニング・コートと呼ばれています。結婚式のような格式高い場における正装であり、昼間の儀式にふさわしい厳粛な雰囲気を演出します。モーニングの装いは、独特の形状と細かい決まり事によって構成されています。

まず上着は黒か濃い紺色で、前裾は斜めに断ち切られ、後ろ裾は燕尾服のように長く伸びています。この燕尾のような後ろ裾こそがモーニング最大の特徴と言えるでしょう。ズボンは縦縞模様のものを合わせるのが基本です。この縞模様は、上着の落ち着いた色合いとの対比で、洗練された印象を与えます。

シャツは白のウィングカラーシャツを着用します。ウィングカラーとは、襟の先端が左右に折り返された形状の襟のことを指します。この襟には、カラーピンと呼ばれる専用の留め具を付けます。ネクタイは、落ち着いた光沢のある銀鼠色の縞模様が一般的です。そして、胸ポケットには、白の麻布でできたポケットチーフを折りたたんで挿します。

靴は黒のストレートチップが正統とされています。ストレートチップとは、つま先部分に横一文字の縫い目が入った革靴のことです。全体を黒で統一することで、式典にふさわしい風格が漂います。これらの細かな決まり事一つ一つが、モーニングの格調高さを際立たせているのです。

モーニングは、その格式高さから、結婚式では新郎新婦の父親が着用することが多いです。新郎が着用することもありますが、最近は燕尾服やフロックコートを選ぶ新郎も増えており、モーニングは父親世代の正装としての印象が強くなっています。しかし、格式を重んじる家柄や伝統的な結婚式では、新郎がモーニングを着用することで、より厳かな雰囲気を醸し出すことができます。モーニングは、式典への敬意と自身を正しく表現するための、由緒ある装いと言えるでしょう。

項目 説明
名称 モーニング・コート
着用シーン 昼間の結婚式などの格式高い式典
上着 黒か濃い紺色。前裾は斜め、後ろ裾は燕尾状。
ズボン 縦縞模様
シャツ 白のウィングカラーシャツ
ネクタイ 銀鼠色の縞模様
ポケットチーフ 白の麻布
黒のストレートチップ
着用者 新郎新婦の父親、新郎 (近年は減少傾向)

モーニングの歴史

モーニングの歴史

結婚式などのおめでたい席で新郎が身に纏う、格調高い装い、モーニング。その歴史は古く、19世紀のイギリスに遡ります。乗馬に適した服装として生まれたフロックコートこそが、モーニングの起源と言えるでしょう。当時、貴族や紳士たちは乗馬をする際、丈の長いフロックコートを着用していました。このフロックコートは、乗馬の際に邪魔にならないよう、前裾が次第に短くなっていきました。そして、19世紀後半、ついに現在のモーニングコートの原型が完成したのです。

フロックコートは、乗馬服としての役割を終えると、今度は昼間の礼服として紳士たちの間で定着していきました。特に、格式高い公式の場や社交の場では、モーニングコートが正装として扱われ、貴族や紳士たちはその格調の高さを示すためにこぞって着用したのです。当時のイギリスでは、モーニングコートを着こなすことが、教養と品格の証とされていました。

この格調高いモーニングが日本へ伝わったのは明治時代。西洋の文化を取り入れようと尽力していた日本の上流階級の人々の間で急速に広まりました。当時の写真を見ると、結婚式や公式の場でモーニングを着用した人々の姿が確認できます。そして現代、モーニングは結婚式における新郎の正装として、その伝統は脈々と受け継がれています。時代とともに細かな部分は変化を遂げながらも、モーニングは格調高い服装としての地位を確固たるものにし、現代の結婚式においても新郎の正装として重要な役割を担っているのです。

時代 イギリス 日本
19世紀 乗馬服としてフロックコート誕生
前裾が短くなり、モーニングの原型完成
昼間の礼服として紳士に定着、教養と品格の証
明治時代 上流階級にモーニングが普及
現代 結婚式の新郎の正装として定着

モーニングの着こなし

モーニングの着こなし

モーニングコートは、結婚式のような格式高い場で新郎が着用する正装であり、その着こなしには細かな決まりごとがあります。まず、上着についてです。モーニングコートの上着は丈が後ろに長く伸びているのが特徴ですが、ボタンは一番下のボタンだけを留めます。他のボタンは留めずに、前を開いた状態にするのが正式な着方です。内側に着るベストは、モーニングコートに欠かせないアイテムです。色は上着の色と合わせるのが一般的で、白や薄い灰色が主流です。ベストのボタンは全て留めるのが正式なマナーとされています。ズボンは、縦縞の入ったものを選びます。この縞模様は、モーニングコートの伝統的なデザインの一部です。裾はシングルで、くるぶしが見えるくらいの短めに仕上げるのが適切です。足元にも気を配りましょう。靴下は黒か濃い紺色のものを選び靴は黒のストレートチップが正統派です。ストレートチップは、つま先に横一文字の飾りが付いた革靴で、フォーマルな場面にふさわしい格調高い雰囲気を演出します。これらの着こなしのルールを守ることで、モーニングの格調高さを保ち、洗練された印象を与え、結婚式という晴れの舞台にふさわしい装いを完成させることができます。モーニングコートは、新郎の晴れ姿をより一層引き立て、特別な日を彩る装いです。正しい着こなしを身につけることで、自信に満ちた輝きを放つことができるでしょう。

アイテム 詳細
上着 丈が後ろに長く、一番下のボタンだけを留める
ベスト 白や薄い灰色が主流で、ボタンは全て留める
ズボン 縦縞の入ったシングルで、くるぶしが見えるくらいの丈
靴下 黒か濃い紺色
黒のストレートチップ

モーニングと他の礼服との違い

モーニングと他の礼服との違い

結婚式の装いとして、格式高い席にふさわしい礼服にはいくつか種類があります。モーニング、燕尾服(えんびふく)、タキシードなどが代表的ですが、これらはそれぞれ特徴やふさわしい場面が異なります。混同しやすいこれらの礼服の違いを理解し、状況に応じて適切なものを選ぶことが大切です。

まず、モーニングは昼間の正礼装です。結婚式で新郎が着用することが多く、格式高い式典に参列する際にも選ばれます。モーニングの特徴は、上着の前裾が斜めにカットされている点と、縞模様のズボンを合わせることです。色は黒が基本ですが、濃紺や濃い灰色なども見られます。結婚式において、モーニングは新郎の正装としてふさわしいだけでなく、父親や媒酌人などの重要な役割を担う人も着用することがあります。

一方、燕尾服は夜間の正礼装です。名前の通り、上着の後ろの裾が燕の尾のように長く伸びているのが特徴です。華やかな場にふさわしい優雅な雰囲気があり、夜会や晩餐会、オペラ鑑賞などで着用されます。結婚式で着用する場合は、新郎新婦が夕方以降の披露宴を行う際に選ばれることがあります。

タキシードは準礼装に位置付けられ、夜間のパーティーや披露宴などで着用されます。燕尾服ほど格式高くなく、カジュアルな雰囲気も持ち合わせているため、幅広いシーンで着用できます。上着の襟やズボンの脇線にサテン地が使われているのが特徴で、黒の他に濃紺や白なども見られます。結婚式では、新郎が着用するケースや、招待客が着用するケースもあります。

このように、モーニング、燕尾服、タキシードは着用する時間帯や場面が異なります。結婚式に参列する際には、招待状に記載されているドレスコードを確認し、新郎新婦との関係性も考慮しながら適切な礼服を選ぶようにしましょう。格式を重んじる結婚式では、間違った礼服選びは失礼にあたる場合もあります。それぞれの礼服の特徴を理解し、TPOに合わせた装いを心がけることが重要です。

礼服 種類 時間帯 場面 特徴
モーニング 正礼装 昼間 結婚式(新郎、父親、媒酌人)、格式高い式典 上着の前裾が斜めカット、縞模様のズボン、黒が基本
燕尾服 正礼装 夜間 夜会、晩餐会、オペラ鑑賞、夕方以降の結婚式 上着の後ろの裾が燕の尾のように長い、華やかな雰囲気
タキシード 準礼装 夜間 パーティー、披露宴 襟やズボンの脇線にサテン地、黒、濃紺、白など

結婚式におけるモーニングの役割

結婚式におけるモーニングの役割

結婚式という人生の大きな節目において、モーニングは新郎新婦の父親にとって特別な装いです。モーニングは、格式高い正装として、父親の威厳と祝いの気持ちを象徴する役割を担っています。

深い黒色で仕立てられた上着は、式典にふさわしい厳粛さを醸し出し、同時に新郎新婦の門出を祝福する喜びを表します。光沢のある襟と縞模様のズボンは、華やかさを添え、祝いの席にふさわしい晴れの装いを演出します。

モーニングを身にまとった父親の姿は、新郎新婦にとって大きな支えとなります。長い人生経験を積んだ父親が、格調高い正装で並んで立つ姿は、新郎新婦に安心感と自信を与え、新たな門出を力強く後押しするでしょう。

また、モーニング姿の父親は、参列者にとっても印象深いものです。厳かな雰囲気の中で、堂々と振る舞う父親の姿は、新郎新婦のこれまでの成長と、家族の温かさを感じさせ、式典全体の格調を高めます。

結婚式は、新郎新婦だけでなく、両家の家族にとっても大切な一日です。父親がモーニングを着用することは、新郎新婦への敬意を表すだけでなく、両家の結びつきを象徴する大切な意味を持ちます。モーニングという伝統的な正装は、結婚式という特別な日をより一層輝かせ、忘れられない思い出を刻む助けとなるでしょう。

対象者 モーニングの役割・意味
新郎新婦
  • 父親の威厳と祝いの気持ちを象徴
  • 大きな支え
  • 安心感と自信を与える
  • 敬意の表れ
父親
  • 威厳と祝いの気持ちを象徴
  • 式典にふさわしい厳粛さと喜びの表現
参列者
  • 印象深い
  • 新郎新婦の成長と家族の温かさを感じさせる
  • 式典の格調を高める
両家
  • 結びつきを象徴