オートクチュール

記事数:(3)

ウエディングドレス

花嫁衣裳とクチュリエの世界

「仕立て屋」を意味するフランス語「クチュリエ」。しかし、彼らは街の仕立て屋さんとは一線を画します。高級注文服、いわゆる「オートクチュール」の世界を率いる、デザイナーであり、熟練の職人であり、そして芸術家と呼ぶにふさわしい存在です。 クチュリエは、一枚の布から、まるで魔法を使うように、息を呑むほど美しいドレスを作り出します。顧客一人ひとりの体型はもちろんのこと、内面から出る個性までも綿密に理解し、その人の魅力が最大限に輝くデザインを考えます。生地選びから始まり、デザイン画の製作、型紙作り、裁断、縫製、そして仕上げまで、すべての工程に一切の妥協を許さず、完璧な作品を仕立て上げます。それはまるで、彫刻家が石のかたまりから、丹念に彫り進めていく作業のようです。非常に緻密で繊細な手仕事により、美しいドレスが生み出されます。 クチュリエは、ただ服を作っているだけではありません。顧客の夢を現実のものにする、それが彼らの仕事です。彼らが手掛けるドレスは、単なる衣服ではなく、まさに芸術作品と言えるでしょう。クチュリエの仕事は、顧客の特別な日を美しく彩り、生涯忘れられない思い出を創り出す、かけがえのないものです。それは、世界にたった一つの、輝く宝石を贈るような、高貴な仕事と言えるでしょう。
ウエディングドレス

特別な一着を仕立てる喜び:オートクチュール

仕立て服の世界は、大きく分けて既製服と仕立て服の二つの世界に分けられます。洋服店などで見かける、あらかじめ決まったサイズで大量生産された服が既製服です。一方、仕立て服は、お客さま一人ひとりのために、型紙作成から縫製までを一貫して行う、完全な注文服です。仕立て服の中でも最高峰に位置するのが、オートクチュールと呼ばれる服です。「高級仕立て服」を意味するフランス語で、世界に一つだけの特別な一着を仕立てます。 オートクチュールと既製服の大きな違いは、服作りに対する考え方にあります。既製服は、あらかじめ決められた型紙に基づいて作られます。一方、オートクチュールは、お客さまの体型を細かく採寸し、その人に完璧に合う型紙を一から作成します。お客さまの好みや着用シーン、合わせる小物なども考慮に入れ、デザイン画を描き起こします。生地選びも、お客さまと相談しながら、世界中から厳選された最高級の素材を使用します。 縫製も熟練した職人たちの手によって、一針一針丁寧に行われます。ミシンだけでなく、手縫いも駆使し、細部にまでこだわり抜きます。ミリ単位の調整を何度も繰り返し、体に吸い付くようにぴったりとフィットさせます。まさに魔法のように、着る人の魅力を最大限に引き出します。 オートクチュールは、完成までに途方もない時間と手間がかかります。そのため、価格は非常に高額になりますが、それだけの価値がある、まさに夢のような服です。芸術作品を生み出す過程そのものと言えるでしょう。単なる服ではなく、着る人の個性を表現し、特別な瞬間を彩る、かけがえのない宝物となるでしょう。
ウエディングドレス

プレタクチュールで理想のドレスを

既製服と仕立て服、それぞれの良い点を併せ持った「プレタクチュール」をご存知でしょうか。プレタクチュールとは、既製服のことを指すプレタポルテと、高級仕立て服であるオートクチュールの、二つの言葉を組み合わせたものです。別名、セミオーダーとも呼ばれています。 プレタクチュール最大の特徴は、既製服の手軽さと仕立て服の特別感、その両方を味わえるという点です。お店に並んでいる既製服のデザインや生地の中から、自分の好みに合ったものを選びます。そして、選んだ服を自分の体形に合わせて採寸し、ぴったりと合うように仕立て直してもらいます。 オートクチュールの場合、服の形や生地、装飾などすべてを一から自分の希望に合わせて作り上げていきます。一方、プレタクチュールでは、既存のデザインや生地をベースにするため、すべてをイチから決める必要はありません。そのため、オートクチュールに比べて費用を抑えられます。 採寸後は、仮縫いをします。仮縫いとは、仕立て途中の服を着てみて、サイズ感や着心地などを確認する作業のことです。体にぴったり合うように調整することで、既製服では得られない着心地の良さを実現できます。そして、自分に合うように調整された服は、世界に一つだけの特別な一着となるのです。 手軽にオーダーメイド感覚を味わえるプレタクチュールは、結婚式のような特別な場面だけでなく、普段着としても人気を集めています。既製服の利便性と仕立て服の特別感、その両方を求める方に、ぴったりの選択肢と言えるでしょう。