
結婚式の「もぎり」:その役割と進化
「もぎり」とは、催し物などに入場する際に、チケットの一部を切り離す作業のことです。切符には、切り離しやすいように、細かい穴が並んだ「ミシン目」と呼ばれる加工が施されています。切り離された部分は「もぎり券」や「もぎり札」と呼ばれ、入場した証として保管されたり、抽選券として使われたりすることがあります。
この「もぎり」という言葉は、「もぎりとる」という動作からきています。もぎることで、入場した人数を正確に把握することができます。結婚式や披露宴のような格式高い席では、係の人が一人ひとりに丁寧に挨拶をしながら案内することが多く、もぎりをする光景はあまり見られません。しかし、二次会や気軽なパーティーなどでは、受付や入場管理を円滑に進めるため、もぎりをすることがあります。多くの招待客が一度に訪れる場合でも、もぎりによってスムーズな入場を促し、混乱を防ぐことができるのです。
もぎりは、単なる入場管理にとどまらず、招待客との交流を深める手段としても活用できます。例えば、もぎり券に招待客の名前や新郎新婦へのメッセージを書いてもらうことで、芳名帳の代わりやメッセージカードとして利用できます。また、もぎり券に番号を付けて抽選会を行うなど、イベントを盛り上げる工夫も可能です。
最近は、携帯電話や情報端末で表示する電子切符や二次元コードを読み取る入場管理方法も普及しています。しかし、紙の切符を使うことで、特別な催しに参加しているという高揚感を高める効果も期待できます。招待客へのおもてなしとして、紙の切符と手渡しのもぎりにこだわってみるのも良いでしょう。このように、もぎりは単なる入場管理作業ではなく、催し物の雰囲気を高め、人と人との繋がりを強める役割も担っていると言えるでしょう。