ブラックタイ

記事数:(1)

服装

結婚式の正装:ブラックタイ徹底解説

「黒の蝶結び」という意味を持つ「ブラックタイ」という言葉は、元々は黒の蝶ネクタイそのものを指していました。タキシードを着る際に、必ずこの黒の蝶ネクタイが使われることから、次第にタキシードそのものを指す言葉として定着していきました。今では、結婚式の招待状などに「服装の決まりブラックタイ」と書かれていれば、男性はタキシードを着るのが一般的です。 ブラックタイの歴史を紐解くと、タキシードは19世紀後半のイギリスで生まれました。当時、夜会には燕尾服を着るのが上流階級の習わしでした。しかし、もっとくつろいだ雰囲気の中で過ごしたいという思いから、燕尾服を簡略化したものが考案され、それがタキシードの始まりです。つまり、タキシードは燕尾服をカジュアルにした夜会服として登場したのです。 この新しい夜会服はまたたく間にアメリカにも広がり、社交界で大変な人気となりました。当時、アメリカでは燕尾服に白い蝶ネクタイを合わせていましたが、イギリスの上流階級の男性たちは、白い蝶ネクタイではウェイターの制服と区別がつきにくいことから、黒の蝶ネクタイを合わせるようになりました。これが、タキシードに黒の蝶ネクタイが合わせられるようになった所以であり、「ブラックタイ」の由来なのです。 このように、ブラックタイの歴史は、格式高い燕尾服から、よりゆったりとした夜会服へと変化していく時代の流れを反映しています。そして現代においても、結婚式などの特別な場で着る正装として、その伝統は受け継がれています。格式と伝統を感じさせるブラックタイは、特別な日を彩る装いとして、今もなお多くの人々を魅了し続けているのです。