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服装

側章:正装のズボンの証

側章とは、格式高い場面で着用する礼服のズボン、特に燕尾服や夜会服といった正装のズボンに見られる装飾的な帯状の布のことを指します。この帯は、ズボンの両脇、外側の縫い目に沿って上から下まで縫い付けられており、ズボンのシルエットを美しく見せる役割を担っています。 側章には、光沢のある素材が用いられることが多く、例えば絹やサテンなどが使われます。この光沢が、照明の下で美しく輝き、見る人の目を惹きつけます。また、側章はズボンの縦のラインを強調する効果があり、それによって脚を長く、そして全体の姿をより洗練された印象に見せることができます。いわば、着る人のスタイルを良く見せる、魔法の帯と言えるでしょう。 側章が付いているズボンは、正装であることを示す目印にもなります。結婚式のような祝いの場や、晩餐会、授賞式といった格式を重んじる場では、服装に側章があるかないかで、その人の服装の格が決まると言っても過言ではありません。側章は、着る人の品格や、その場への敬意を表す、いわば静かなメッセージのような役割も担っているのです。 一見すると小さな装飾に過ぎない側章ですが、実は着用者の心遣いや、場にふさわしい服装を選ぶセンスの良さを示す重要な要素なのです。だからこそ、格式ある場へ出席する際には、側章の有無にも気を配ることが大切と言えるでしょう。