
三三九度:結婚の誓いを固める儀式
三三九度は日本の伝統的な結婚式、とりわけ神前式において欠かせない儀式です。これは新郎新婦がお神酒を酌み交わすことで夫婦の結びつきを強め、永遠の愛を誓い合う神聖な儀式です。「三三九度」という名前の通り、小さな盃を用いて三回ずつ、合計九回お神酒を飲み交わします。この数字一つ一つに深い意味が込められています。
まず三という数字は、日本では古来より縁起が良いとされる数字です。陽の数であり、天・地・人を表すなど、めでたい意味を持っています。この三を三回繰り返すことで、その意味合いをより一層強く確かなものにするという意味が込められています。そして三掛ける三で九となり、これは「久」に通じ、永遠や永久を意味する数字とされています。九という数字は一桁の数字の中で最も大きく、それゆえ完成や満ち足りた状態を表すとも考えられています。
三三九度で用いられるお神酒にも特別な意味があります。お神酒は神様にお供えするものですが、それを共に飲むことで、神様の前で夫婦の契りを交わし、二人の結びつきを神様に認めてもらうという意味合いがあります。また、三つの盃にもそれぞれ意味があり、一杯目は「小さな盃」、二杯目は「中の盃」、三杯目は「大きな盃」とされています。これは夫婦の歩みを表しており、小さな幸せから始め、徐々に大きな幸せへと発展していくことを願う気持ちが込められています。
このように、三三九度は単に酒を飲む行為ではなく、新郎新婦が永遠の愛を誓い、末永く幸せな夫婦生活を送ることを神様に祈願する、大変重要な儀式なのです。古来より受け継がれてきたこの美しい伝統は、現代の結婚式においても大切な意味を持ち続けています。