
写真サイズ四つ切りの魅力
写真における『四つ切り』という名称は、かつて写真がフィルムで撮影され、印画紙に焼き付けて現像されていた時代に由来します。印画紙には『全紙』と呼ばれる大きな基本サイズがありました。この全紙を半分に切ると『半切』、それをさらに半分にすると『四つ切り』となり、他にも六つ切り、八つ切りといったサイズがありました。名前の通り、全紙を四等分したものが四つ切りサイズというわけです。
当時は、この全紙から分割していく方法が写真のサイズの基準となっていました。フィルムで撮影した写真は、まず印画紙に焼き付けられます。そして、その印画紙を用途に合わせて様々なサイズに切り分けていたのです。四つ切りサイズは、アルバムに貼ったり、額装して飾ったりするのにちょうど良い大きさでした。そのため、家族写真や記念写真など、様々な場面で広く利用されてきました。
現在では、デジタルカメラの普及により、写真はデータで保存し、やり取りするのが主流となっています。しかし、今でも写真プリントを注文する際には、この四つ切りをはじめとする伝統的なサイズを選ぶことができます。デジタル化が進んだ現代においても、これらのサイズは写真プリントの標準規格として残っているのです。
このように、四つ切りという名称は、印画紙の全紙を四分割したことに由来する歴史あるサイズです。フィルム写真の時代から受け継がれてきた四つ切りサイズは、写真文化における歴史と伝統を象徴する存在と言えるでしょう。手軽に写真が撮れるようになった現代だからこそ、こうした写真の文化に触れ、その歴史に思いを馳せるのも良いかもしれません。