
重厚感あふれるオットマン素材の魅力
織物の中でも、オットマンは独特の存在感を放つ、重厚感と高級感を兼ね備えた生地です。その名前の由来は、トルコを指す言葉「オスマン」にちなんでいます。横糸に数本の太い糸を束ねて打ち込み、縦糸には光沢のある細い糸をぎゅっと織り込むという、特殊な製法が、この生地の独特な風合いを生み出しています。
オットマンの最大の特徴は、生地表面に現れる太い畝模様です。この畝は、太い横糸によって作られ、生地に立体感と奥行きを与えています。まるで地面に幾重にも重なる波のように、うねりを持った畝が、見る角度によって様々な表情を見せ、独特の陰影を作り出します。この畝があることで、生地は重厚感を持ちながらも、上品な印象を与えます。また、厚手でしっかりとした生地感も、オットマンの特徴です。そのため、型崩れしにくく、仕立て映えがするという利点があります。洋服はもちろん、インテリアなどにも使われ、高級感を演出してくれます。
オットマンは様々な素材を使って織られます。絹を使えば滑らかな光沢が生まれ、綿を使えば柔らかな風合いになります。また、ウールを使えば保温性に優れた温かみのある生地に、ポリエステルを使えば、しわになりにくく扱いやすい生地になります。素材によって生まれる様々な風合いも、オットマンの魅力の一つと言えるでしょう。絹のオットマンで仕立てた艶やかなドレスや、ウールのオットマンで仕立てた暖かなコートなど、それぞれの素材の特性を生かした、多様な楽しみ方ができる生地、それがオットマンです。