
受書:結納における大切な記録
受書とは、結納の儀式の中で、贈られた品を受け取った側が、確かにそれらの品を受け取りましたという証として、品を贈った側に渡す文書のことです。古くから続く婚礼の儀式である結納において、受書は大切な役割を担っています。
正式な書面として、結納品を受け取ったという事実を明確に書き記すことで、後々の言い違いや問題を防ぐ役割を果たします。口約束ではなく、文書として残すことで、双方の家族が安心して結婚準備を進めることができます。また、受書を作成し、相手に渡すという行為そのものが、結納の儀式に一定の区切りをつけ、両家の結びつきをより確かなものにするという意味も込められています。
受書には、通常、結納の年月日、贈られた品物の名称と数量、そして受け取った側の氏名と住所が記されます。品物の名称は、目録に記載されているものと一致している必要があります。目録と受書は、結納の際に必ず作成される重要な書類であり、これらをきちんと取り交わすことで、結納が正式なものとして認められます。
単なる品物の受け渡し記録ではなく、両家の結びつきを目に見える形で表す大切な記録であり、結婚への第一歩を記すものと言えるでしょう。受書は、大切に保管し、後々まで家族の歴史として語り継がれていく、貴重な宝物となるでしょう。このように、受書は結納という伝統儀式の中で重要な役割を果たしており、両家の信頼関係を築き、円満な結婚への道を切り開くための大切な一歩となります。