
親族書ってどんなもの?
結婚という人生の大きな節目において、親族書は両家の親族のつながりを示す大切な記録です。これは、両家の家族構成や親族関係を明らかにする書類で、古くから結納の際に交換されてきました。結婚する二人の家系を互いに理解し、尊重することで、両家の結びつきをより一層強固にするという意味が込められています。
伝統的には、奉書紙や美濃紙といった格式高い和紙に、毛筆を使って丁寧に書き記します。墨の濃淡や文字の運びにも気を配り、心を込めて書き上げることで、結婚に対する真摯な思いが伝わります。記載する内容は、親族の氏名、年齢、続柄、住所などです。通常は三親等までの親族を記載しますが、近年では簡略化される傾向にあります。両家の親族構成によっては、どこまで記載するのか両家で話し合って決めるのが良いでしょう。
現代の結婚式では、親族書を作成しないケースも増えてきています。結婚式の形式が多様化し、簡略化が進んでいることや、個人情報の保護意識の高まりなどが背景にあると考えられます。親族書を作成するかどうかは、両家でよく相談し、それぞれの家の考え方を尊重しながら決めることが大切です。
たとえ簡略化した形式であっても、親族書の作成は結婚準備の中で両家の関係を深める良い機会になります。親族の名前や続柄を確認し合う過程で、自然と会話も弾み、互いの家族への理解も深まるでしょう。また、完成した親族書は、結婚後も家族の歴史を伝える貴重な資料として大切に保管することができます。親族書は、単なる書類ではなく、両家の絆を繋ぐ象徴として、未来へと受け継がれていくことでしょう。