欧米の伝統

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挙式

幸せを願う銀貨:結婚式の素敵な言い伝え

結婚式には、古くから伝わる様々な言い伝えがあります。その中でも、花嫁の左の靴に銀貨を入れる言い伝えは、特に有名です。「ア・シルバー・シックスペンス・イン・ハー・シュー」と呼ばれるこの風習は、イギリスで生まれ、幸せな結婚生活を願う素敵な習慣として、現代にも受け継がれています。「サムシング・フォー」という古くから伝わる詩の一節が、この風習の由来となっています。「何か古いもの、何か新しいもの、何か借りたもの、何か青いもの、そして靴の中に銀の六ペンス」というこの詩は、花嫁に幸運を祈るおまじないとして、結婚式でよく唱えられています。「サムシング・フォー」は、それぞれに意味があり、「古いもの」は家族との繋がり、「新しいもの」は未来への希望、「借りたもの」は幸せのおすそ分け、「青いもの」は純潔や誠実さを象徴しています。そして、「銀の六ペンス」は、将来の豊かさと繁栄を表しています。 銀貨は、古くから富の象徴とされてきました。花嫁の左の靴に銀貨を忍ばせることで、経済的な安定だけでなく、二人の明るい未来に幸福をもたらすと信じられてきました。この小さな銀貨には、家族や友人たちの温かい祝福の気持ちが込められています。六ペンス硬貨は現在、イギリスでは製造されていませんが、この伝統を大切に守る人々は、アンティークコインや、六ペンスに似た大きさの銀貨などを代用して、この風習を続けています。銀貨そのものだけでなく、この風習に込められた「幸せになってほしい」という願いが、結婚式という特別な日をより一層輝かせ、二人の門出を祝福しているのです。時代が変わっても、古くからの言い伝えは、人々の心に温かい光を灯し続けています。この銀貨の言い伝えのように、結婚にまつわる様々な風習は、先人たちの知恵と愛情が込められた、大切な贈り物と言えるでしょう。
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サムシング・ニュー:新しい門出への祝福

結婚という人生の大きな節目において、花嫁を祝福する素敵な習慣のひとつに「何か新しいもの」を身につけるというものがあります。これは「サムシング・ニュー」と呼ばれ、欧米から伝わる古くからの言い伝えです。新しい人生の始まりを祝し、これからの幸せを願う象徴として、花嫁は真新しいものを身につけます。 この「新しいもの」には特に決まりはなく、輝くばかりのウェディングドレスや、繊細なきらめきを放つアクセサリーなど、花嫁の装いを彩るものなら何でも構いません。また、人目には触れない下着や、小さなハンカチーフなど、ささやかなものであっても構いません。大切なのは、その品物に込められた「これから始まる新しい生活への希望」という思いです。 真新しいウェディングドレスは、まさに新しい人生の始まりを象徴する一枚です。純白のドレスに身を包むことで、花嫁は清らかで純粋な気持ちで新たな一歩を踏み出せます。華やかなアクセサリーは、未来への希望を象徴する輝きを添え、花嫁の笑顔を一層引き立てます。 目立たない場所に身につける新しい下着やハンカチーフなども、花嫁の心に寄り添い、静かに勇気を与えてくれます。これらは、他人に見せるためのものではなく、花嫁自身の心を満たし、新たな門出への自信を高めるためのものです。 「サムシング・ニュー」は、単なる流行のおしゃれではありません。古くから受け継がれてきたこの習慣は、花嫁の幸せを願う温かい気持ちと、未来への希望を形にしたものと言えるでしょう。新しい人生への期待と喜びを胸に、花嫁は輝かしい未来へと歩みを進めます。