経編機

ラッセルレースとは、ラッセル編機という名の、縦糸を使う特別な編み機で織られるレースのことを指します。このラッセル編機は、縦糸を巧みに操りながら布地を織り上げ、同時に美しい模様を作り出すことができるのです。従来の編み機とは異なり、薄くて平らな仕上がりになるのが大きな特徴です。まるで魔法の織機が糸を一本一本丁寧に操り、夢のように美しい模様を描き出していくかのように、繊細で美しいレースが生まれます。 このラッセルレースを作るラッセル編機は、その名の通り、イギリスの発明家であるアイザック・ラッセルによって１９世紀初頭に発明されました。それまでのレースは手作業で編まれていましたが、この画期的な発明により、レースの大量生産が可能になったのです。当時、産業革命の真っただ中にあったイギリスで、この発明は繊維産業に大きな革新をもたらしました。 近年では、技術の進歩により、さらに繊細で高品質なラッセルレースが作られています。その精巧な柄は、まるで熟練の職人さんが一つ一つ丁寧に刺繍を施したかのような美しさで、高級レースとして名高いリバーレースにも匹敵するほどの質の高さを誇ります。機械による量産でありながら、手作りのような繊細さを併せ持つ、まさに技術の結晶と言えるでしょう。一枚のドレスに仕立てられたラッセルレースを目にする時、そこにどれほどの技術と情熱が注ぎ込まれているのかを想像すると、胸が高鳴ります。そして、その繊細な美しさに触れる時、私たちは歴史の重みと技術革新の素晴らしさを感じることができるのです。