結び切り

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結婚準備

結婚における結び切りの意味

水引とは、贈り物や封筒に彩りを添える飾り紐のことで、古くから日本の贈答の文化において大切な役割を担ってきました。色とりどりの紐を様々な形に結ぶことで、贈る相手への思いを表す、日本ならではの美しい風習です。 数ある水引の結び方のうち、「結び切り」は一度結ぶと容易にはほどけないことから、「一度きりであってほしい出来事」を表す結び方として用いられます。人生における大きな節目であり、一度きりであることが望ましい結婚は、まさにこの結び切りがふさわしい出来事と言えるでしょう。結婚の贈り物には、この結び切りを用いることで、贈り主が二人の末永い幸せを願う気持ちを表すのです。 結び切りは結婚祝い以外にも、弔事や病気見舞いなど、繰り返したくない出来事の贈り物にも用いられます。例えば、葬儀の香典や、病気見舞いなど、再び起こってほしくない出来事には、結び切りが選ばれることが一般的です。これらの贈り物に蝶結びを用いることは、タブーとされていますので、注意が必要です。 一方で、入学祝い、出産祝い、誕生日祝いなど、何度あっても喜ばしい出来事には、何度でも結び直すことができる「蝶結び」が用いられます。このように、水引の結び方にはそれぞれ意味があり、贈り物の種類や目的に合わせて適切な結び方を選ぶことが、贈答における大切な作法と言えるでしょう。さらに、結び目を中央に配置することも、日本の贈答文化における伝統的な作法の一つです。贈る相手の幸せを願い、丁寧に結ばれた水引は、贈り物に込められた真心を伝える、大切な役割を果たしているのです。