
半襦袢:着物の快適な秘密
半襦袢(はんじゅばん)は、和服を着る際に肌着として用いる、着物や長襦袢の下に着る衣類です。肌着の役割を持つため、汗や皮脂汚れから大切な着物や長襦袢を保護する役割を担っています。また、直接肌に触れるものだからこそ、着心地の良さにも大きく関わっています。
半襦袢は、長襦袢よりも丈が短く、腰の辺りまでの長さです。長襦袢が膝下あたりまでの長さであるのに対し、半襦袢は肌への負担を軽減し、動きやすさを確保するために短く仕立てられています。夏場など、特に暑い時期には、長襦袢を着ずに半襦袢の上に直接着物を着る人もいます。
半襦袢の素材は、吸湿性や通気性に優れたものが選ばれています。麻や綿、近年では合成繊維なども使われ、汗をかいても快適に過ごせるように工夫されています。着物や長襦袢は繊細な生地で作られていることが多いため、汗や皮脂による汚れから守るためには、吸湿性の高い半襦袢の存在が不可欠です。
半襦袢を着ることで、着物や長襦袢の滑りが良くなり、着崩れを防ぐ効果も期待できます。着物や長襦袢は、重ねて着ることで美しいシルエットを作りますが、生地同士が擦れ合うことで着崩れが起こりやすくなります。半襦袢は、この摩擦を軽減し、着物が美しく着られるようサポートする役割も担っているのです。
昔は、半襦袢の手入れは手間がかかるものでしたが、現代では洗濯機で洗えるものが多く、手軽に扱えるようになりました。和服を日常的に着る人にとって、半襦袢は欠かせないものとなっています。様々な素材やデザインのものが販売されているため、自分の好みに合わせて選ぶことができます。