
友引と結婚式:縁起の良い日取りを選ぶ
「友引」とは、暦の上で日々につけられた吉凶を表す記号のようなもの、「六曜」のひとつです。六曜には、他に「先勝」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」があり、これらはカレンダーなどでよく見かけます。「友引」という字面から、お友だちをたくさん引き寄せる良い日だと考える人も多いでしょう。お祝い事には良いことが起こり、多くの人に囲まれるとされ、結婚式を挙げる人も多くいます。反対に、お葬式のような弔い事では、亡くなった方が友人をあの世に連れて行ってしまうと考えられ、友引の日に葬式を行うことは避けられることが多いです。
しかし、「友引」の本来の意味は「友を引く」ではなく「引き分け」を表す「相引」という言葉が変化したものです。つまり、勝ち負けのない日、良いことも悪いことも起こる日とされています。具体的には朝と夕方は吉、昼間は凶とされています。勝負事で言えば、どちらにも有利不利がなく、勝負がつかない日と考えられていたのです。
現在では、「友引」は結婚式に良い日とされています。たくさんの人に祝福されて幸せのお裾分けをする、という意味で「友を引く」という言葉が都合よく使われるようになったのでしょう。結婚式以外にも、入籍や引越しなどのお祝い事も友引の日に行う人が増えています。しかし、お葬式を友引の日に避ける習慣は根強く残っており、地域によっては友引の日に火葬場を使用できない場合もあります。
このように、友引は本来の意味と現在の解釈が異なっており、地域や個人の考え方によって捉え方も様々です。暦は生活の指針となるものですが、あまりこだわりすぎず、自分にとって良い日だと思えば良いのではないでしょうか。