
結婚の立役者、月下氷人とは?
結婚という人生の大きな節目において、古くから大切な役割を担ってきたのが仲人と媒酌人です。二つの言葉は混同されがちですが、それぞれ異なる役割を持っています。仲人は、結婚の相談相手となり、縁談を取り持ち、結婚が成立するまでのあらゆる過程を支援する人です。いわば、結婚への道のりを案内する案内人のような存在です。かつては、結婚する二人の家柄や家風、本人たちの性格や価値観などを深く理解した上で、最適な相手を見つけることに尽力していました。また、結婚後も、夫婦間の問題が生じた際には相談に乗り、関係を円滑にする役割も担っていました。
一方、媒酌人は、結婚の証人です。結婚の成立を公に認め、結婚式の際に立ち会う人を指します。媒酌人は、新郎新婦それぞれに一人ずつ、夫婦で立てることが一般的でした。彼らは、結婚式の段取りを助けたり、祝辞を述べたりするなど、式を滞りなく進める役割を担います。仲人が結婚に至るまでのサポート役であるのに対し、媒酌人は結婚式の進行を支える役割と言えるでしょう。
現代においては、結婚相談所や出会い系利用など、出会いの形が多様化し、仲人や媒酌人を立てない結婚式も増えています。しかし、かつては結婚において欠かすことのできない存在であり、結婚という制度を支え、社会の安定にも大きく貢献してきました。仲人や媒酌人の存在は、結婚の重み、そして家族や親族、地域社会との繋がりを改めて認識させてくれると言えるでしょう。