酒肴料

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結納

家内喜多留:結婚の伝統とこれから

家内喜多留とは、日本の古き良き婚礼の儀式である結納において、新郎側から新婦側へ贈る大切な結納品の一つです。その字面から分かる通り、「家の中に喜びが留まるように」との願いが込められた、縁起の良い贈り物です。 家内喜多留は、柳で編まれた樽に日本酒を満たして贈ります。樽の素材に柳が選ばれているのは、柳が生命力に溢れ、ぐんぐん成長していく様子から、子孫繁栄の象徴とされているからです。新しい家族の誕生と、末永い繁栄を願う気持ちが込められているのです。また、樽には朱塗りが施されている場合もあり、これは魔除けの意味も持っています。古来より、お祝い事にはお酒を持参する風習がありました。家内喜多留もその名残と言われ、祝いの席に欠かせないものとして扱われてきました。 家内喜多留は単なる贈り物ではなく、両家の結びつきを象徴する大切な品物です。結納という儀式の中で、家内喜多留を贈る行為は、新郎側が新婦側を大切に思い、これから家族として共に生きていく決意を示す意味も持っています。現代では結納を行う家庭も少なくなってきていますが、家内喜多留のような伝統的な結納品には、日本の文化や歴史、そして家族を大切にする心が深く刻まれています。家内喜多留は、新しい家族の門出を祝い、その幸せを願う、日本の美しい伝統の一つと言えるでしょう。受け継がれてきた想いを大切に、未来へ繋いでいきたいものです。