
蛍光性の影響:ダイヤモンドの輝きへの影響
光るもの、光らないもの、世の中には様々なものがありますが、中には光を当てると違う色で光り返すものがあります。これを蛍光性といいます。蛍光性を持つ物質は、特定の光、例えば紫外線などを当てられると、それを吸収し、別の色の光として放出する性質を持っています。
宝石の代表格であるダイヤモンドも、この蛍光性を示す場合があります。ダイヤモンドの蛍光性は、紫外線ライトを当てるとよく分かります。何も当てていないときには無色透明に見えるダイヤモンドでも、紫外線ライトを当てると青白く光ったり、黄色やオレンジ色に光ったりすることがあります。これはダイヤモンドの中に含まれるごくわずかな成分や、ダイヤモンドの構造のわずかなずれなどが原因と考えられています。
ダイヤモンドの蛍光性の強さは、「無い」から「とても強い」までの段階で表され、宝石を鑑定する機関によって評価されます。ダイヤモンドの価値を決める要素の一つとして、この蛍光性の強さが使われています。蛍光性を持つダイヤモンドは全体の約35%程度といわれ、そのほとんどは青色の光を放ちます。しかし、稀に黄色やオレンジ色、赤色など、青色以外の光を放つダイヤモンドも存在します。これらの色の違いは、ダイヤモンドの中に含まれるごくわずかな成分の種類によって決まります。例えば、窒素が含まれていると青色の蛍光が見られることが知られています。
蛍光性の有無や強さは、ダイヤモンドの見た目にも影響を与えます。強い蛍光性を持つダイヤモンドは、太陽光の下では白っぽく見えることがあります。これは蛍光によって放出される青色の光が、ダイヤモンド本来の色と混ざってしまうためです。一方で、蛍光性がないダイヤモンドは、太陽光の下でも本来の輝きを保ちます。そのため、蛍光性の有無はダイヤモンドを選ぶ際の重要なポイントとなるのです。